第15話 冷ややかな嫉妬

氷室さやか。同期にしてライバル。

その整った顔立ちに浮かぶのは、どこか冷ややかな笑みで勝ち誇ったようだった。

四肢を蔦で縛られたままのひよりの姿に、さやかは一歩ずつ近づく。

「ふふ……時期エースとも噂されている方がこんなところで……無様な姿ねえ、どうしちゃったっていうのかしら…?」

その声音には、皮肉と何か別の感情がにじんでいた。

「はやく…これを……」

身体をねじるひよりの言葉を遮るように、

「それより言うことがあるんじゃないの…?ねえ」

すっと伸びた指先が、ひよりの無防備な大きな膨らみの先端をツンとつついた。

「…んっ…やめ」

「"助けてくれてありがとうございます"じゃないの?…こんなに淫らな格好して…」

指先はなおも先端を軽くつねったり、爪で上下に弾いたりして弄ぶ。

そのたびに、ひよりの身体は小刻みに震える。

「身体が火照って仕方がないんでしょう…? 冷やしてあげるわ」

 

さやかは薄く笑うと、指先に薄氷を纏わせ、ひよりの大きな乳房にあて、先端を中心としてゆっくりと円を描くようにゆっくりと滑らせた。

冷たい感触が、火照った肌に触れた瞬間、小さな震えがひよりの身体を走る。

「…ああっ…」

意識とは裏腹に、熱を持った肌と冷たい氷の対比が、感覚を鋭敏にしていく。

「特異体質だかなんだか知らないけど、才能があるっていいものね…私はこんなにも訓練してるっていうのに…」

さやかは皮肉を滲ませると、円を描くように滑らせていた指先に力を込める。そこには嫉妬と苛立ちが混じっていた。

その力に反発するかのような、たわわに実った果実はハリのある弾力でそれを押し返す。

円を描くようにゆっくりと滑らせていた指は、徐々にその円を小さくさせながら、いやらしく中心へと迫る。

ついに、中心にたどり着くと、すっかり固くなった先端の側面に沿うように、じっくりと指先の氷をあてる。

「..んああっ..」

ひより身体は思わず反応してのけぞった。

 

その瞬間、遠くから鋭い声が響いた。

「おい!そこで何をしているんだ!」

封霊師の男の登場に、さやかは舌打ちすると、淡々とした仕草で氷を消し、ひよりの拘束を解いた。

「ふん、いい気にならないで。調子にのるのも今のうちだから」

さやかはそう言い残して、その封霊師の男と何かを話してその場を去った。

ひよりは火照った身体を落ち着かせるように胸元に手を添えて、大きく息を吐いた。

腕には蔦が絡まった後が赤く残り、冷たさの余韻と、汗が混じる艶めいた光が静かに残っていた――